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Summer Pockets (サマーポケッツ)  

「スケバンに呪われたヒデに会ったことがあるルシファー」

Keyブランドの13作目の恋愛アドベンチャーゲーム。
亡き祖母の実家のある鳥白島へ遺品整理のために来た主人公は、この夏に特別な夏休みを過ごす。

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【ジャンル】:テキストアドベンチャー
【プレイタイム】:30時間
【クリア】:クリア済
【難易度】:普通
【総合評価/おススメ度】:A

【映像】:A
【音楽】:A
【シナリオ】:A
【熱中度】:A
【オリジナリティ】:C

【コメント】:直島かどこかの島へ観光に行きたい

最近のPCゲーム事情

2018年7月。猛暑で始まったこの夏。
「クーラーの効いた部屋で、夏らしいゲームをプレイしたいなー」とあまりにもぐうたらな思考がよぎりつつWebを巡回していたところで、6/29に発売されたこのゲームを偶然発見しました。

泣きゲーとして定評のあるKeyブランドの最新作ということと、ネット上のレビューの多くが高評価だったこと、あとは夏っぽいキービジュアルがすごく後押ししてくれて、これはプレイせねば!と即決で購入。

このゲームは購入するとディスクと一緒にダウンロードカードが付いています。
これはDVDドライブを搭載しないPCであってもネットワーク経由でデータをダウンロードして遊べるようにするための処置だとかで、最近はこのような仕組みがあって便利だな、と変なところで感心をしてしまいました。
(DLsite.comという同人向け総合サイトで会員登録した後、分割ダウンロードで3時間くらいかかります・・・)

「PCゲームは処理落ちする」のが付き物と思っている私にとって抵抗感があったのですが、最近買い替えたノートPCは性能がそこそこ良くなっていて、2Dノベルゲーム程度であればサクサクすぎてスペックを気にする必要が無くなっていました。
HDMIで大画面のテレビにもつなぐことができるし、コンシューマー機と大差なくプレイできるため「PCゲームは処理落ちする」という考え自体がもう古いんだなと気付かされました。

話が逸れましたが、本筋のゲームのレビューします。
前半はネタばれなしで。

「夏」というテーマに関して

背景画像が非常に素晴らしいです。ゲームの話しろよ・・・

今作の舞台が人々が生活を営む小さな島ということで、
海岸や港であったり、緑一色の田園であったり、平屋が並ぶ住宅や道路だったり、ランドマークの灯台だったりと、色々と登場します。
一見は何でもないただの背景であるにも関わらず、これぞ夏の情景というのを強く感じさせられるものとなっています。

駄菓子屋や小学校のプール等、誰もが持つ幼い頃の記憶を回帰させるような背景も揃っています。
作品中でも語られる通り、夏休みやお盆という舞台設定もあって、ただ綺麗な風景としてだけではなく、ノスタルジーな風景としても感じ取ることもできます。

そのあまりにも既視感のあるリアルな風景について色々調べていると、瀬戸内海に位置する直島を中心とした列島が背景のモデルなんだとか。
Web検索してみれば、有志の方が聖地巡礼の写真をアップされているので、ゲーム画面と実際の風景を比較すると忠実に再現されて感心します。
島でのロケハンを行い、そのモデルに忠実な描画をしているスタッフの努力こそが、リアリティを感じさせる要因なのかもしれません。

もちろん背景画像だけではなく、作中のシナリオ描写としても一役買っており、釣り、水鉄砲、ラジオ体操という夏の香りを感じるワードも登場して夏への想像力がかきたてられます。
また、一つのテーマとなっている「夏休みの過ごし方」というところも、より一層夏の世界に引き込まれるような作品になっています。

ドラマチックなシナリオや魅力的なヒロイン

穏やかで平和な日常、シュールギャグ、ミステリー体験、シリアス展開、それぞれがバランスよく構成されており、極端に一辺に偏らず、どのヒロインルートもすごく面白かったです。

攻略可能なヒロインはどの子も健気で可愛く、甲乙つけがたいくらいに魅力的です。
サブキャラクターたちも善人ばかりで、ストレスがたまるような憎い存在はいないとても優しい世界です。

作中には、虹色に輝く蝶が何度も登場し、蝶が舞っている姿を見せては不思議な出来事が発生し、一種の超能力的フィクションな要素が含まれていますが、謎をさらに深めてくれて物語に緊張感を与えてくれます。
そしてそれらの謎が気になり始めると続きが読みたくなって堪らなくなる仕掛けで、最後まで飽きることなく読み進めることができます。

それらの日常パート、シリアスパート、恋愛パート、を交互に楽しめて、緩急があり非常に読みやすいと思いました。

作品のテーマとしては、ただの恋愛アドベンチャーでは済まされず、多方向なテーマが存在する点はこのゲームの特徴であり魅力かもしれません。
先ほども書きましたが、「夏休みの過ごし方」というテーマがすごく印象的です。

恋愛という観点で言えば攻略ルートによってはちょっと薄味な部分かもしれません。
というのも、恋愛のさらに先にある"家族愛"というところがテーマになる部分もあり、シナリオ全体のボリュームから見ても恋愛シーンは少なめだったという印象です。

しかし、変にベタベタされるだけの退屈なシーンを見せられるよりはずっとマシで、大事な終盤のオチではどれもドラマチックに落とし込んでくれていますので期待できる作品となっています。
また、どのヒロインルートのシナリオもとても魅力的で、ヒロインたちがすごく好きになれました。

他にも、蝶々がもたらす謎であったり、少女たちの葛藤の解決、夏休みの遊びに協力してくれる仲間たちなど、シナリオを盛り上げてくれる仕掛けがたくさんあります。
そして話の散りばめ方がちょうどいい塩梅で、大変バランスのいいシナリオになっています。

ただ一つ残念なのは、各ヒロインルート攻略後に行ける、グランドフィナーレと呼称される最終ルート。
色々な謎を発見して、不思議な体験をしてきて、物語の核心に迫る真エンディングではどんな結末を迎えるんだろうと、すごくドキドキして楽しみにしていましたが、一部の謎について結局は具体的には解明せず、あまつさえ新たな謎も増え始めて、「結局あの謎は何だったんだろう」という疑問だけが残されたまま、しれっとフィナーレを迎えてしまったのが悔やまれます。

自分自身の理解力が足らなかったのは一理あると思いますが、突然の超展開に翻弄されてしまうと、今まですごく楽しんでいた気持ちを台無しにされたような残念な思いがあります。
結果的には感動なんかよりも、小難しいシナリオだったなあ、と生ぬるい戯言が出てしまいます。


そういえば私自身、key作品のゲームをプレイするのは初めてでしたが、いくつか見てきたアニメ作品を思い返してみると、"消失"とか"奇跡"とかの超展開は、これまでも幾度となく繰り返されてきたことでした。
批判する方が野暮な風潮すらあるし、もはやその様式はkey作品のお約束みたいなところもあって、今作も例外ではなく平常運転だったわけです。

シナリオ以外にも、今作は歴代key作品のオマージュと呼べるような要素がいくつか散りばめているらしく、今作はkeyらしさの集大成のような作品であることをどこかのレビューで読んだことがあります。
「これまでkey作品に触れなかった人こそ新鮮味を感じる」というのは何となく頷けます。
しかし、集大成ということであれば、今作が肌に合わないと他のkey作品全般も満遍なく合わないんだろうなーと、ネガティブな印象を持ってしまいます。

もちろん作品ごとにそれぞれ面白さが異なるのは当然だし、色々なスタッフが影響を与える中で、今作だけで他の作品の評価を全て決定してしまう恐ろしいことをするつもりはありません。
ただ、集大成である今作がkey作品の基準となれば、今後も風呂敷包みを広げたまま畳まないシナリオが量産されるのではないかと、ビジュアルアーツの存続の危機すら感じてしまいます。
あくまで予想ですし、成瀬家の能力が覚醒したわけではないですが、ジレンマを打破することに期待をしたいです。

総じて見れば終盤のシナリオに引っかかっただけで、途中まではドキドキする楽しみな展開であったのも事実なので、確実に面白い作品だといえるので、本当に惜しいところで大絶賛できない作品だと思いました。

その他

プレイ時間は30時間くらいで、key作品にしては短めらしいですが、これくらいが丁度いいボリュームだと思います。
実績集めや、卓球、カード等のミニゲームも実装されてて、隅まで楽しませてくれる出来でした。
セリフもキャラも自由に配置できる大盤振る舞いなおまけもあります。

シナリオも概ねとても楽しめましたので、アニメ化、番外編などの今後のメディア展開で非常に期待ができる作品です。
全年齢向けの内容ですし、これからコンシューマー化はお堅いでしょう。
さらにエクスタシーみたいな成人向けの番外編もあるんじゃないかなと予想すれば、シリーズとしてはまだ続きそうな予感がしますね。掛軸は売れるし、お金の成るコンテンツだし!

プレイする際はぜひ夏を推奨します!

(↓続きを読むでネタバレありの感想)













*ここからネタバレありの感想
共通と、個人的な攻略順でキャラ別ルートの感想を。

共通ルート

何者かの語り部から物語がスタートし、一つのルートが終わる度に挿入されるこの声だけの演出。
Rewriteのオマージュ?本当に同じ世界線のお話では?とか最初は声繋がりで予測してました。
羽依里の幼少の記憶とか?と予想してみるも内容が抽象的すぎて、全く答えに結びつかず終始モヤモヤしていました。

他にも一つのルートを終えるとタイトル画面からヒロインが消える変化とか、蝶の存在とか、うみの思考が幼児化してチャーハンがどんどん不味くなるとか、クリアする度にヒントを得られる代わりに謎がさらに増え始めて、読み手側としてはカロリー高めで推理が追いつきませんでした。

でもこのモヤモヤ感があったからこそ、好奇心をくすぐられて読み進められましたし、最終のpocketルートのエンディングを見て終わってみれば成るほどなと理解できましたので、これはあっても良い演出だと思いました。

しろは

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どすこいから始まる恋物語。
好感度どん底からスタートして、夏休みの短い期間でダーッと距離を縮めていく感じは青春ストーリーそのものです。
しろはのどんどん心を開いてくれる過程を見るだけでニヤニヤが止まりません。

未来が見えてしまう能力から、他人と距離を置いている(ぼっち言うな!)というバックストーリーもあって、主人公の羽依里をきっかけに島の仲間たちとも再び交友を持てるようになるのも心が温まります。見守りたい系ヒロインです。

それとこのルートはギャグが多めで、面白おかしいという意味でもニヤニヤが止まりませんでした。
しろはとのかりそめの結婚を賭けた真剣勝負とはいえ、屈強なマッチョの爺さん(小鳩ちゃん!)と唐突に島伝統の水中格闘技でやりあうことになり、半裸の爺と水中で取り組むシーンは「なんのゲームだこれ・・・」とツッコまざるを得ませんでした。
そういえば良一も半裸だし謎のこだわりなんだろうな、うん・・・

他にも、これまた島伝統の四天王スクワットとか、真面目な話をしているところでわかめ人間(天善)が棒立ちとか、ギャグセンスの好みはあると思うけど、馬鹿をド直球で行動するところや、真面目なシーンでの唐突なシュールギャグにはついクスッときて面白かったです。

最後のオチで羽依里がカッコよく告白を決めるも、船の故障でUターンする情けなさとか、最後まで笑いあり感動ありで楽しませてくれました。
構成もシンプルで、非常に爽やかだった印象を受けた清々しいほどの王道ルートでした。


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和泉つばすによるキャラデザインは、どうしても他作品のキャラを連想してしまいがちで最初は違和感あったのですが次第に慣れました。
余談ですが、色々な都合から混合したキャラデザインとなる昨今のスマホゲーを見れば、特に珍しいことでもないのかなと今更に気づかされました。あるよねそういうの。

この子は何といってもチョロインです。
何気ないセリフを深読みしすぎてエッチなことを考えてしまうお年頃で、恥ずかしさでよく叫びながら悶絶しているのが彼女の日常です。
ドキドキしている姿にこっちもドキドキしてしまうのは、そういうトリックだからです。
そして何故か遭遇するときは、大抵は服がはだけているのです。実にけしからん女です!

表面上は明るいキャラとは反面、しろはルートと雰囲気が変わってシリアスなシーンが多めです。
蝶に接触すると人々の記憶の欠片を見ることができる意外にもファンタジー要素もありです。
記憶に触れる度に心身を疲弊させてしまう危険な存在ですが、寝たきりの実姉を救うために勇敢に立ち向かう、いわば姉妹愛≒家族愛というテーマもあって中々にヘビーなルートだという印象でした。
結果的には救いのある話に落ち着くので、後味が悪い話ではありませんでした。

今作の重要な役割である蝶七影のことについて語られることもあって、蝶の詳細を知ることができる基幹ルートになっています。
しかし、しろはルートに登場した蝶は、何故水中で現れて触れることができるのか、この蒼のルートでも、最終ルートでも肝心のことは何も分からずじまいでした。ヒントでもあったかな?
それと蒼ルートでチャーハンを作る記憶も見かけましたが、チャーハンも重要な役割を持っているなんてこの時には気づきません、というか気付けません。

それと選択肢を誤って、昼寝している彼女から家族のことを聞き出せないと、姉の情報がなくなるためバッドエンド直行するので注意。
寝言を聞きそびれるだけで姉が救えないなんて結構シビアなゲームなこと。


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夏には少し重たげなダークトーンのワンピースにケープ、物理的にも重めな大きなスーツケース。
一見しても目を引く彼女のルックスには実は情報がいくつも詰まっています。
ダークトーンに身を包みドクロのヘアピンを身に付けているのは、彼女が憧れる海賊を示唆したもの。
またスーツケースは身体の弱い彼女の杖代わりになるカモフラージュの道具だったというのを、物語の中で読み解くことができるのです。
洞窟探検には似合わないヒールシューズは、これは完全に想像ですが、彼女の成りたかった大人の女性でも表しているんじゃないでしょうか。
彼女の容姿で様々なアイコンを表現している、キャラデザありきで物語が構成されている点はすごく良いなと思いました。

容姿からするに最初はお嬢様キャラかと想像していると、むしろ気さくでおてんばな印象。
そういう行動をしてしまうのも、普段は病気で寝たきりで動けない反動で、アクティブに行動したいという思いが具現化したのではないかと推測しています。

鴎ルートは、一言でいえばまさに冒険ですね!
隠されたいくつもの宝の鍵を探し、線路を辿って洞窟を発見し、暗闇の洞窟を探検し、難破船を見つけるという、もう一つのテーマである「夏休みの過ごし方」を思わせてくれる情景が多くて個人的にはすごく満足です。

そこから始まる主人公の不思議な追体験、鴎が突然と消失するミステリー。
鴎の母親が小説家とか父親が企業の事業主とか、各地の読者が集まるとか、ご都合主義な展開は目立ちましたが、彼女の母親が登場してからの解決編では予想していなかった方向にストーリーが動き出して、これはこれですごく面白かったです。
恋愛は非常に薄いですが、それが気にならないほどに没入感が勝っていて、短編小説の様な読み物としても秀悦です。

基本的にはルート内で物語が完結するため、謎はそれほど残りませんでした。
しかし蝶が母親のスーツケースを盗み出すとか、鴎が幻だったとか、鴎と会った誰もが覚えていないとか不可解で不思議な出来事の説明が、実は蝶の謎に関連するのではないかと、やはり蝶の謎がひっかかってしまうのでした。

「ちょいちょい」 → 「それはね」 → 「内緒!」 の一連が愛おしい。


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灯台の上から世界を見下ろしながら、本当にやりたいことを探している少女。

パリングルスの空き容器で耐久力に問題のあるベランダを作ろうとするちょっと頭の弱い子。
あまりに自然にパリングルスという言葉を発するものだから、ポテチってすぐに思い浮かべられない。

このルートで登場するサブヒロイン静久と紬と羽依里の3人で一緒に夏を満喫する序盤は少し冗長な部分はありますが、ゆっくりと紬と羽依里の心の距離が近づくシーンを見届けることができます。

中盤になると整理中の蔵にて紬と瓜二つの姿をした少女の写真を発見、ここからホラー展開のようで一瞬で肝が冷えます。
なるべく平然を装いつつも、疑心暗鬼になる羽依里、結局誤魔化しきれず早い段階でネタばらしになりました。
紬は本当の姿ではなく、いわば生霊なのでこの夏で帰ることが分かると、夏休みの期間で季節外れのイベント行事を一生分やってしまい、思い出作りに専念しようと計画し始めます。

「どんな結果になっても、夏の終わりまで3人は一緒」とか言っちゃう静久さん。
いや待て待てと、変な冷や汗をかいてしまいそうなセリフで非常に危なっかしいです。
サマーポケットは「手が届かないくせに、ずっと近くにいろなんて、そんな拷問を思いついたのもお前だろ!」とか皆が傷つく作品群でなくて本当に良かったと思います。ウィンドウカラーもそれっぽい水色でなおさら・・・

終盤にかけては思い出作りに仲間たちと精を出し、仲間たちの協力に感謝して、二人の恋を互いに恥ずかしがりながら確かめ合って、帰る日が近づいて羽依里が好きだということを言葉にしてしっかり伝えて、叶うことの許されない将来を語らいながら、ロウソクの灯る道で空へと帰してあげます・・・

「日常」→「突然の決別」→「友情、恋愛」のような王道展開は非常に堪らなく熱く、最後のロウソクの道で看取るシーンは心にツンとくるものがあります。これまでの謎が吹っ飛ぶくらいには喪失感があります。


さて、これまでやってきた夏の思い出の中には、いつも紬が鼻歌で歌っていた曲を歌にするエピソードがあります。
鼻歌の時は曖昧だったし、いざ「むぎゅぎゅぎゅぎゅ」と独特な歌詞を付けられた曲を最初に聞いたときは、感動的なシーンのバックで流れるには変な歌だなと思ったのが第一印象でした。

しかし、聞き取りやすく馴染みやすいメロディーと、これまで思い出作りに専念してきた羽依里=プレイヤーであれば、情景が瞬時に思い浮かぶ思い出の数々が歌詞に聞こえてくるではありませんか。
繰り返し聞けば聞くほど、紬の楽しかった夏の思い出がギュッと詰まった、とても健気で幸せにあふれた歌にしか聞こえなくなります。

鴎(スーツケースが消えてしまうブラックジョーク付き)の話にもあった通り、元は民謡だということですが、これが本当に実在する「小鳥の結婚式」という民謡を元にした曲でした。
曲の方にフォーカスしてみると、民謡である原曲の方は少しアップテンポで跳ねるようなリズムと楽しげな歌い方が特徴的です。
一方でサマーポケッツ版の方がテンポは遅め、メロディーラインも少しだけアレンジが加えられており、感動できるようなアレンジがなされています。
眠たい夜のフレーズではスローテンポになるところは原作に忠実であったりします。

最初は音数が少なめだったのに対してフレーズを繰り返すうちに段々と音数が増えていきます。
これは紬の周りに仲間が増えていったことを表現しているのかもしれません。

曲は二度も転調が入っており、これは流石に原曲には無いアレンジではありますが、空へと帰ってしまう時が、刻一刻と近づいていることを示唆しているんじゃないでしょうか。
最後は音数も減ってピアノのみになり帰っていくことで曲が締めくくられており、こうしてストーリーを意識させながら音数の増減や伴奏の変更や転調を挟むことで、劇中歌として使用するとドラマチックに演出されます。

ほら、最初は変な歌にしか聞こえなかったのに不思議!
専用キャラソンとか、完全にメインヒロイン扱いじゃん!

【サマポケ】Summer Pockets - 紬の夏休み
https://www.youtube.com/watch?v=9jIuMn6V2UM



うみ(ALKA TALEルート)

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それぞれのヒロインのルート終えて、各シナリオともそれらしい締めくくりはされましたが、蝶の存在、大樹の存在、主人公の水泳部への決着、うみちゃん幼児化、それぞれ謎は残したままこのルートに突入。
このルートの完成度次第では、今作が本当にノベルゲームの頂点が取れるんじゃないかと思ってたくらいには高揚していました。

これまでスポットの当たらなかった謎多きヒロインうみのルート。
幼児化したうみと一緒にやりたいことを巡礼、絵日記通りに行動し、父親の羽依里と母親のしろはが疑似的な家族を演じて夏休みを過ごします。
まるで本当の親と子のような微笑ましい関係を見るようで、これまでになかった家族のホッコリ感を味わうことができます。

終盤になると幼児化がさらに加速して、箸が持てなかったり、言葉を発することができなくなるばかりか、周りの人間がその存在すら忘れかけてしまう記憶喪失のような現象が発生しまいます。
花火大会の夜、若き頃の両親の愛に感謝しつつ一瞬だけ姿を現したうみとの別れを悲しむシーン、そしてエンディング・・・
ではなく、次のシーンでは身籠るしろはの姿を観測するうみ、しろはを救うために決意すると時間軸はさらに過去へと遡る。

ああ、タイムトラベラーだったのかと。
存在が消失するだけでなく時空すら移動できたんだと、奇想天外な事が起き過ぎて理解が付いていけなくなります。
このあたりから何でもありの自由形で、謎を解くにも不思議な力で片づけてしまえる内容になってきて、感情移入ができなくなってきたのが正直なところです。

色々な過去作のオマージュが含まれるのはもちろんのこと、ついさっきまでの他ヒロインのルートでも似たようなことやってたし、既視感(ヘジャプ?)を感じて仕方がなかったです。
そして期待し過ぎた余り、非常に残念な出来だと思いました。

七海(Pocketルート)

2018-09-24_summer_pockets_10.jpg
声の主が判明、七海(うみ)だったとは。
言わば終盤の種明かしエピソードというわけで、前半がうみ+幼少しろは、後半が羽依里という構成になっています。

幼少のしろはの能力発動を回避するために、まずは楽しませるためにチャーハンを作ろうと、またここでも思い出作りに奮闘します。
紆余曲折もあって事故に遭った両親を思い出させてしまい、七海との別れも訪れて、こんな悲しいことならなくせばいいと言わんばかりのしろはに対して、うみは、今日よりももっと楽しい思い出をいっぱい作れる未来が待っていると励まして前半終了。
説教っぽく聞こえるけど、何編にも渡って語られた思い出作りというテーマがここに来て説得力を持ってしろはを救ってくれる展開はグッときます。

後半には、しろはが報われた後の羽依里ルート。
過去が見る能力を持たないしろははプールで泳ぎの練習をすることもなく、羽依里とはプールで出会うことも「どすこい」とも言われることもありません。
一度はしろはとすれ違うシーンで期待しつつも、何も起きないシーンはプレイヤーである誰もが心打たれると思います。
そして今まで全く出来なかった蔵整理をついに終えてしまい、蔵にあった見覚えのある虹色の紙飛行機を飛ばすも何も起きません。
最後に島を発つとき、拾った紙飛行機を飛ばすしろはを見かけ、羽依里は一目散に海へドボン。
港へ上がってすぐにチャーハンの作り方を教えてほしいと告げ、まさかのチャーハンと虹色の紙飛行機が二人の関係を紡いでハッピーエンド。

こういう小道具を使った伏線回収や、最初のしろはルートを思わせるUターンでシチュエーションを重ねるところとか、最後の最後でビシッとキレイに着地したオチは結構好きです。

羽依里の水泳部の決着とか、うみが出会ったおばあちゃんの存在とか、そもそもの蝶の存在とか、謎は依然として残ったままでしたが、風呂敷を広げるだけ広げて消化しないのがKeyクオリティ。

「家族愛」、そして「夏休みの過ごし方」という2大テーマこそが、病室で奮闘した麻枝准氏が伝えたかったことなんだろうなと妄想しています。
実際に自分の心の中にこのサマーポケッツは残り続ける作品になっているのだと思うし、制作側の術中にまんまとはめられたんだと思います。

チャーハン食いたいなあ(小並感)

おまけ

最後のギャラリーでキャラとセリフを自由に配置できる大盤振る舞いな謎モードがありました。
骨の髄までしゃぶってくださいと言わんばかりなので、少し遊んでみました。

2018-09-24_summer_pockets_11.jpg
↑半裸ズのいたずらな日常

2018-09-24_summer_pockets_12.jpg
↑周回しすぎで時空が歪んだBadEnd
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category: Summer Pockets

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三木朝海の掲示板 | 2018/12/08 15:31

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