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クレイマンクレイマン ~ネバーフッドの謎~  

「神粘土」

粘土でできた不思議な世界を旅するアドベンチャーゲーム。
グラフィックもCGではなく実際の粘土を使用しており、その粘土の総重量は5トンにも及ぶという裏話がある。

【ジャンル】:アドベンチャー
【プレイタイム】:4時間
【クリア】:クリア済
【難易度】:普通
【総合評価/おススメ度】:S

【映像】:A
【音楽】:S
【シナリオ】:B
【熱中度】:A
【オリジナリティ】:S

【コメント】:センスの塊

あそべるクレイアニメ

クレイマンクレイマンの名の通り、粘土で作られた主人公が、粘土で作られた仕掛けを解いて、粘土でできた世界を
探索するゲームです。
PS1で買った初めてのゲームなんで思い出補正もあるけど、最近になって再プレイしたらやっぱり面白い。
しかもまじでほとんど粘土、感動した。

自分は小さい頃から見てきたクレイアニメにはすごく思い入れがあって「ウォレスとグルミット」や「ピングー」
などの作品はめちゃくちゃ好きです。
それ以外にも今まで数多くのクレイアニメ作品に触れてます。
で、その業界に興味を持ってメイキング映像などの製作過程を見てきて培った知識なんですが、
この粘土の舞台を作るまでには想像を絶するほど膨大な時間と手間が必要です。

セルアニメやCGアニメでもあるデザインや構図を考える作業はもちろん、
絵コンテを元に粘土に色を混ぜながら、こねて形づくり、キャラクターなどはひとつだけでなく複数作成します。
そして各パーツが完成するとやっと撮影段階に。
原画のように描けたら永久保存できたらいいのにそう簡単にはいかず、まず針金や糸で粘土を固定して
各パーツの状態を維持し続け、それをほんの少しずつ動かして撮影していきます。
本物の粘土を使うので、例えば手など細いパーツは、固定しないと重力に負けて曲がったりちぎれたりすることも
あり得ます。
時にはツヤツヤに磨いた粘土は時間が経過すると水分が失われ粘土表面にヒビが入ることもあり得ます。
時間との戦いに征して体制が整ったら初めて撮影ができます。
撮影も1コマ1/15秒ほど、撮影もシャッター1回につき1コマのみで編集不可、原画をコビーできるアニメと比べると
死ぬほど効率が悪い。
光の当たり具合など照明の設置やカメラのピントなど映画のような細かい配慮も必要。

・・・といった感じに、クレイアニメはやっぱり大変なんです。
説明書にもその苦労をインタビューで感じ取ることができます。
じゃあそこまですることの報いに何がある?
それはCGのようなのっぺりした画とはまったく異なる"粘土でしか表せない独特の温かみ"を表現できるから、
もうこれしかないですね。
この魅力を全面に出したいが為に彼らは粘土をこねるんです。
CGだけでも十分に描写可能だったPS1ゲームにあえてクレイアニメを取り入れた、これがどういうことかもう分かりますね。
ゲーム+クレイアニメという奇跡の作品を生み出そうとしたチャレンジ精神は評価に値します。
私が評価しておきます。
ほんとうに粘土の良さが分かってらっしゃる。

ちなみにクレイアニメを使ったゲームは、知ってる限りではmoon続編クレイマンクレイマン2くらいで
オール粘土はクレイマンとクレイマン2でしか味わえないです。(一方ガンホッケーは・・・)
この魅力的な映像とその背景がある時点でもう満点なんですが、ゲーム内容もチェック。

謎解きアドベンチャー

マウスポインタでクレイマンの移動を誘導するような形式のアドベンチャー。
洋ゲーとはいわれるものの、記号を使うパズルが多めで、外人だろうが小さな子どもだろうが誰でも楽しめる
ユニバーサルな謎解きは言語的障害がほぼゼロなのが素晴らしい。
どこでもセーブandいつでもヒントを見れるので難易度もそれほど難しくなくほどよいくらい。
やる気のないふにゃふにゃな動きがとても遅くてちょっとイラッとするけど、粘土なんでご愛嬌。
シナリオに関しては文章表示が数回、終盤でセリフが若干ありますが、これも誰でも理解できる内容。
まあシナリオを味わうよりも、粘土で作られたムービーシーンを単純に楽しめればいいかと。
なかなかユーモラス、ほんのりブラックなネタがあるところも味わい深い。

プレステマウス対応なんで試しに使用してみましたが、カーソル移動は早いものの
決定とキャンセルだと決定が優先される仕様の左クリックは、画面を戻るのに不便で
ヒントを見るときは左押しながら右クリックという覚えにくい操作だったり。
それならアナログコントローラの方が慣れてて良いと思う、好み次第かな。
最速クリアにはマウス必須、そんな人いないか。

不思議な世界

粘土だらけの世界ネバーフッド、グルグルうず巻きやカラフルな色彩、キノコにはどでかい胞子(実?)、
その洗練されたかのようなデザインからは桁外れのセンスを感じます。
五本とも長さがバラバラの吊り輪、ぐにゃぐにゃに歪んだシーリングファンからは手作り感。
薬を調合するシリンダー、椅子で場所を移る瞬間移動装置からは未来感。
クレイマンの胸が四次元ポケット、小さな穴を手で無理矢理広げて通るツッコミなしのシュール感。
巨大ロボットや亀みたいなちっこい生物、大砲の鳥のかわいさ。
そして、サソリのような生物に黄色い体液をかけられるというグロテスクさ。
いろんなものが混ざってて、一言いえば不思議だ。

そんな不思議な世界は、外の背景が真っ黒でちょっと孤独を感じる。

音楽

粘土をたくさん褒めたけど、
クレイマンの音楽も恐ろしいパワーを秘めており、一曲ごとに何かとてつもないインスピレーションを感じる。
ジャンルとしては、ギターのカッティングが特徴のカントリーミュージックが多め。
英語なのかどうか疑わしい、フヌケた言葉を発して歌っている曲なんかもあるし、じっくり鑑賞すると曲だけでも
なかなか面白い。

例えばこのシーリングファンが回る部屋の、巻き舌で低くうなっている曲はなんか笑ってしまったw
「えヴぇヴぁりヴあぁぁぁ」Everybody Way Oh!
http://www.youtube.com/watch?v=KFp_6WnujiU

これも滑舌が悪くて面白い、後半のベース音ソロも印象的。
「ぁしゃしぇん、ぁしゃしぇん、あしゃしゃしゃぁぁあしぇん!」Confused And Upset
http://www.youtube.com/watch?v=mB-6tMHzkG8

そして途中の咳払いが生々しすぎて汚らしい
「ぷぉ~、ぷぉぷぉっぷおぉ~」Cough Drops
http://www.youtube.com/watch?v=S-Kuc9NALBA

ふざけるばかりでなく、ノスタルジックな曲ももちろんある。
Klaymen's Theme
http://www.youtube.com/watch?v=WreJGBEF5iA
Triangle Square
http://www.youtube.com/watch?v=MdRCfjvhFO8

ある謎解きではラジオの周波を変えて正解の音楽が流れるチャンネルに合わせると扉が開くのだが、
ハズレの周波にもちゃんと曲が用意されている。
キラキラ星 An Elf Sings His ABC's
http://www.youtube.com/watch?v=O9zK66fut9w
笑いから悲しみの歓声になるもの The Laughing, Crying, Screaming Masses
http://www.youtube.com/watch?v=paZHrGxK7ig
ビリヤードでブレイクした残響が鳴り響くだけのもの Playing Pool In Outer Space
http://www.youtube.com/watch?v=91foYWOALZA

音楽ですら無いものもあるが、こんな隠された音声も印象が強く一度耳にしたら離れない、
ただならぬセンスを感じる。
作曲したTerry Scott Taylor氏、まさに奇才です。

まとめ

ただでさえ製作に時間がかかるクレイアニメにゲームの要素を足して、粘土ワールドを贅沢に堪能できる作品です。
見てるだけ、聴いてるだけでも楽しいので、新たなゲームの楽しみ方を生み出しているのですが、
残念な事にクレイアニメを使ったゲームはこれ以降ほぼ無く、CG技術の発達と反比例するように衰退しました。
熱心なスタッフが結集したとしても、やっぱり製作費用・時間に合った売り上げが見込めないんでしょうね、
世知辛い。
海外のゲーム製作会社ネバーフッドのサイトは行方不明、ドリームワークスは今も映画作ってるけど資金難らしい。
発売元のリバーヒルソフトも最高に好きな会社なんですが、もう倒産したし日本では復活は絶望的・・・

今、海外ではthe Neverhood(クレイマン)のiPad、iPhone移植化がほのめかされています。
可能性は薄そうですが、こうやって一生懸命に広報・普及活動をしているファンがいることが嬉しいです。
私もこのページにクレイマンの素晴らしさを書きながら応援しています。
こんなセンス溢れた作品をぜひとも多くの人に触れてもらいたい、そう思います。
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